2011年10月26日水曜日

街山荘・城崎通信8『後は丸太の搬入待ち』編

今朝の城崎は雨
雨の城崎もエエもんだす。つうか作業で雨も楽しめません
作業と言うても20坪程の内装だけで
お宿の方はちゃんと出来ているから掃除をすれば良い

15畳の宴会用の大広間、8畳が3間、6畳が2間、
4坪の厨房、二つのトイレ、廊下、階段

その掃除はお客の女性が三度も来てほぼやってくれた
ホンマに助かる。感謝々々、ありがたい嬉しいコトだす

トイレはウォシュレットにした
別に洋間はベッドと机や小物が入り
生玉の店を離れて以来の充実したクマの個室ができた
全てがそろって全く快適な暮らしが始まっている
店さえ完成したら、こんな雨の日も外に出て愉しめる
今は、チョッとだけ辛抱のトキ

けど
一昨日、気比浜ってとこへお昼の弁当を作っていった。車で3分。
寄せては返す打ち寄せる波。波の音。
                          

信州木島平村に居った時は山ばっかりやった
海を見る。海を眺める。波を数える。エエなぁ。
茫洋と緩やかな時の中に流れていたかな

作業は全ての解体が終わり、造作にかかりましたぞえ
防音用の壁も石膏ボードを三重に全て終わった

予定では今日、丸太が搬入されるはずやったが
この雨では明日になるかも
丸太が入って、やっと本来の店造りの開始や

2011年10月22日土曜日

街山荘・城崎通信7 丸太の皮剥きでヘトヘト

昨日、一昨日と二日間午後から竹野で丸太の皮剥き。
先月、チョッとしたのと入れて三日目になる

約100本の半割の丸太
コイツがなかなか剥けへんのじゃな
春先の丸太ならすんなりスーッと剥けるが、この季節はあきまへん
竹野に行くのに少し遠回りやけど海岸線を走った
途中、高所にチョッとした広場があって
周りは桜の古木が取り巻いていた
                        
春は日本海の絶景を愉しみながら花見にエエじゃろうなぁ
ここに、何故か鉄棒があってな
飛びつく位の高いヤツで、挑戦したが逆上がりでけんかった
しゃぁないので、低い方で背骨伸ばしましたがな

竹野海岸の手前で用意した弁当で昼メシ
波の音と、澄んだ蒼い海を愉しみココロ穏やかなひと時




竹野の製剤所は夫婦だけでやってるんや
行くといつもコーヒーを出してくれる
奥さんはいつもニコヤカで爽やか
ご主人はぶっきら棒やけど気配りの親切が嬉しい
夫婦だけで製材所をやってるなんて初めて見たぞ

周りに
河あり、山あり、海あり、親切な人と出会って
毎日がホンマに来て良かったと

2011年10月20日木曜日

街山荘・城崎通信6・久しぶりの長距離走行

大阪から帰り、五日目の朝。空が素晴らしい秋を
先週は
木曜にヒョッコリと弟分のHとその連れが城崎に現れて
作業の手伝いと建物の掃除をしてくれた。


夜は一緒に温泉に行き、深夜まで飲んだ
金、土、日曜と大阪の店に出た
三日日間、古い顧客も交えて久しぶりな人が来てくれた
普通、日曜日はたいして馴染みのお客がけえへんのに
クマが帰ったと15人も顔を出してくれてクマを喜ばしてくたなぁ

月曜日の朝、バスで長野駅。
長野駅から長野電鉄で信州中野駅、
そこへ中沢牧場の久夫ちゃんが迎えに来ていた
早速、彼が手配していた車屋にダイハツAtraiを取りに行った
走行距離11万km、車検は再来年、スタットレスタイヤ4本付
それで13万
さすが久夫ちゃんエエのん見つけてきよった

当然、その夜は彼と積もる話の数々で熱燗を交わした
次にいつ会えるのか、そう思うと話にも熱が入った

翌朝は雨
雨の中を、チッチャなAtraiに助手席も含め荷を満載

ふと、やるせなさが。
12年前に全焼した街山荘、それから10年間再建に励んできた
それでも三割強位しか進めていない
オレは今年68歳。
何か思い切ったコトわやらんと、これは無理ぜよと
思案を重ね、訪ねあぐねて行き着いた所が予想外の城崎温泉の旅館
信州木島平村の再建中の山荘はつまるところ放棄ってコトになった
オレは10年間何をしてきたんやろう
あらためて甦る山荘の全焼シーン

消しようもない無念が心をうずかせる
この12年間、まるでジプシーのように店を転々と替え
行き着いた城崎で多分定着するやろう

木曜日に城崎温泉旅館組合の執行部の人達と膝を交えて話し合った
オレが現れた瞬間、皆さんに異様な緊張が生まれたのが伝わった
城崎は町ぐるみで風俗やヤクザを追い出した
それがオレを見た瞬間、ヤクザ?なんて思われた様子なんやな
名刺と挨拶代わりに著書の『山麓の炎』を皆さんに手渡し
「但馬でいなか暮らし」の小幡さんがクマの経歴とここに至った理由を説明
そこからだんだん皆さんの表情も柔らかくなって
最後は仲良く助け合って付き合っていきましょうと、チャンチヤン

豊田飯山IC~松本IC、そこから高山へ、東海北陸自動車道に乗って敦賀
敦賀から国道27号線に
料金所のオッチャンに27号を訊いたら
「へぇ、城崎まで。遠いですね。舞鶴から舞鶴自動車道がありますよ」
「いやいや、ワシもうカネないから下道ですわ」
「へぇ、そら時間かかりますな。気をつけてゆっくり行ってくださいね」

舞鶴から宮津、178号線で豊岡、城崎
信州木島平村を出たのが10:30
城崎に着いたのが20:40
ほぼ10時間、三回のトイレだけの休憩で走破
東海北陸自動車道の高山から城端まではほとんどがトンネル
中でも全長16km級の二つのトンネルには参りましたがな
高速は平均110km、下道は平均65kmの走行、
あぁあ、疲れた、いやいや疲れたのは前半、途中から慣れましたがな[m:242]

慣れると去来する思い多々ありで
城崎温泉で第三の人生を始めるに胸膨らむ希望もあるんやが
やっぱり、全焼した山荘と再建途上の山荘に尽きぬ無念と未練を
何度も何度も反芻するように噛み締めていたなぁ

2011年10月16日日曜日

街山荘・城崎通信5 クマの専用庭

   前から気になっていた。


 城崎温泉名物の大谷川は細長いデルタのような町の真ん中を流れている
 当街山荘は円山川に沿って県道3号線と大谷川の交叉する手前にある


 大谷川を挟んですぐ向こうに小高い小さな山がポツンとある
 東山公園、と麓の細い上り坂の入り口に看板があった


 クマが城崎温泉に来てから毎朝の日課にしているのが
 円山川の畔を独自のメニューを設定したトレーニングをしながらの散歩
                                                    
気になっていたので畔の行程を半分にして東山公園に分け入ったのは四日前


いきなり20度程、2m幅位の登りの山道
半分も登ったら少し緩やかな坂道になって、
100m位の地点でA角に折れて更に緩やかなちょっとした広場に出る
桜、もみじ、ケヤキ、楠木等々の雑木が程よい間隔で生い茂り
町中の突如に現れる森林の模様をていして




う~ん、これはクマ向きの格好の散歩と鍛錬の場じゃがなと


頂にはコンクリートで出来た三階建ての展望台
上から見る城崎温泉の町並み



円山川の向こうに更に幅広の河が流れ込んでいるのが上から見て知った
展望台の向こうに下りの路が見えた 


余すとこなく落ち葉が敷き詰められて足裏に優しく伝わる
細い落ち葉の道の両脇には高く生い茂った雑木の枝や葉が覆いかぶさる
進むほどに細い峰と峰を結ぶ石橋があり

それを渡るとやや幅広の石の階段が迫り上がり
                       
階段を登り切ると、突如と更に細い路が続き
めったに人がけえへんねんやろう
両脇から路を塞ぐように雑木が枝を伸ばしいた
それだけではなく、小路にも生まれたばかりの木立が
低く通せんぼをしていた


ここまで来るのに我が城崎温泉の新街山荘から10分程の道のり
ほとんど人の来ないような処
クマ専用の心地良い広い広い庭が出来たようで嬉しくなってまうやん


間もなく紅葉が始まればモミジの見事な紅色が楽しめそう
春は桜の満開の下で弁当とビールが楽しめそう
夏は涼を求めて昼寝が楽しめそう


お客さんが来たら
ここへ弁当持ちで樹々と仲良く酒盛りもエエやろうなぁ


エエとこ見つけて良かった良かった
城崎温泉に来てホンマに良かったぜよ


こんな日常、チョッと贅沢やなぁ

2011年10月12日水曜日

街山荘・城崎通信4 城崎の七人の侍、じゃなく愛すべき六人

 三連休。
 助っ人、応援、ボランティアは動きやすい。

 先ず、日曜9日。マッシーといっちゃんが車に引越し荷を満載して天満を発った。
 ほぼ同じ時刻、倉敷から難波ちゃんが発った。
 
 一日前に城崎へ行って温泉を堪能し思う存分飲みたいと三人が一致した。


 ただでさえ、週末の土曜は店に立たねばならぬクマしゃん
 この日は結婚の四次会40人のパーティーが舞い込んでいましたんや
 城崎進出で何かとカネが要りますわな、ありがたい事です

 明けて10日の朝
 スワンピーたけしことたけちゃんの車にあきちゃんとクマが乗り込んで
 やはりこれも荷を満載して出発しましたぞ。

 連休のタメ相次ぐ渋滞にひっかかり4時間以上もかかって到着。

 ところが着いたら先発の三人が誰も居れへん。
 待つ事しばし、カランコロン下駄の音をノンビリ響かせて三人が帰ってきた
 温泉帰り、ビールもたんまり入っている感じ

 4時間余も運転してきたたけちゃんに先ずはビール
 いやいや、あきちゃんもクマしゃんも待ってましたとビール
 6人で昼間っからチョッとした宴会を小一時間

 さて、作業にと言う時にはマッシーが長々とダウン
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 無理もない、彼は中堅の公務員。人員削減で仕事に追い立てられまくり
 休日も家に仕事を持って帰り休む間がない
 
 もし、今の橋下知事が大阪市の市長になつてしもうたら
 更なる人員削減で、マッシーは倒れるかも
 そんなんもありーの、他に色々あって橋下に大阪市を乗っ取られんようにせなね

 土曜の出発時も予定は3時やった仕事に追われ結局出発は6時を過ぎた。
 そこから夜の道を4時間運転した。
 彼はいつも、 こうしてまでもクマを助けてくれる

 皆もそれは了解、納得ずく
 マッシーはそっと寝かせておいて、いよいよ作業開始。

 先ずは未だ完全に解体しきれてへん壁と床をバラシにかかる。

 たけちゃんが階段下の袋棚
 難波ちゃんといっちゃんは床を剝がす
 三人の呼吸はピッタリ。見る見る空洞が広がる
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 何てたって、たけちゃんは大工に看板屋の職人
 難波ちゃんは元鳶職、いっちゃんもフリーターで経験豊富
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 紅一点?のあきちゃんは女らしく二階の部屋掃除
 こいつがなかなか大変でな

 何せ8年間アイタママった旅館
 閉め切ってはいたらしいがそれでも自然の埃は堆積するもんや
 畳も廊下も掃除機をかけたぐらいではあきまへん
 
 そんな事をオレから事前に聞いていたアキちゃん、それぞれの洗剤を持参
 皆が階下で作業している間を一人っきりで黙々と掃除に励みましたな

 黙々一人でやつてるもんやから、寂しいんやろう時々降りてきて
「見て見てぇー、ホラッ綺麗になったでしょう」とオレを引っ張っていく
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「うん、ホンマや。スゴイやんアキちゃん。やれば出来る子や。ありがとう」
 ホンマにありがたいんやから


 時々アチコチで「よしおちゃーん」と呼ばれ「何々」
「ここはこれでエエんか」「ここ、どうするん」
 もう全然活気に溢れてますねん。
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 で、クマはというと、お迎えを待っとりましてん

 そもそもこの旅館は豊岡市の『田舎でたじま暮らし』に接触して行き着いたとこ
 その担当のOさんが物件案内の時にメチャ丁寧で親切にしてくれて
 物件に辿り着く前に、こうのとりの飛来地、玄武洞、城崎温泉を
 くまなく回って見せてくれた

 二回目の時なんかは、
 クマが城崎温泉駅から電車で帰るのにビールと肴の差し入れまでしてくれたんや

 まぁまぁトチ前置きがながいかな
 
 二階の旅館は掃除さえすれば直ぐにでも使える
 そやけど、旅館だけで生業にするには時間がかかるやろう
 したらば、やっぱりJazzShotBar街山荘もやらなくっちゃね

 JazzShotBar街山荘は当然ログハウス調に決まっとるぜよ
 ほいで、Oさんに北但森林組合のIさんを紹介してもらった

 このIんがOさんにも勝る親切で世話焼きなんやな
 丸太の原木だけを世話したらエエだけのもんを
 クマの話を聞いて、原木の皮むきを一緒にしてくれたり
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 車が要ると奔走してくれたが思うようになかなかね

 田舎は車がなかったら動かれへんしね

 Iさんは自分の車で運転手になってクマの手足のようになって
 何処へでも連れて行ってくれはるやら
 道具が不足なクマの為
 大ハンマー、丸ノコ、大バール、スコップ、ほうき等々も持ってきてくれた
 
 皆が解体作業するこの日、
 内装資材を買い付けなアカンクマのため組合の軽トラで迎えに来てくれる
 豊岡市までホームセンターを巡ったり、食品も購入した
 食品の中に発泡酒の量が一番やった

 誰も知らん未知のとこへ飛び込んできたけれど
 この豊岡という所で会う人会う人、皆さんホンマに親切なんやな
 嬉しい、ありがたい事ですなぁ


 買い物から帰ったら夕方の6時を過ぎていた。
 たけちゃん、難波ちゃんは解体の段階から壁の造作に移っていた
 手馴れた職人のする事はそつなく早いやおまへんわ
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 翌朝起きたらアキちゃんの姿が見えへん。
 階下に降りたら男ども4人も起きていた。
 円山川の畔を散歩にさそった。アキちゃん一人で温泉街散歩してるんや。
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 帰ってきたら、二階の部屋の畳を磨くアキちゃんの姿
 何と、7時に起きてずっと掃除をしてたとさ。頭下がります。

「もう、オレの三日分もやってくれた古都し、皆、温泉行っておいでや。その間、オレは晩メシ作っとくし」
 それからしばらく皆はIさんを取り囲んで談笑の後、カラコロ下駄をならして温泉へ

 呑むに呑んだなぁ。記憶ではオレが寝たのは3時近かったか

「よしおちゃん、アタシ撤回するわ。ここホンマにエエやん。やろやろう」
 アキちゃん。実は城崎の話が出た時は猛反対
「ワタシは城崎なんか絶対行かへん」なんてわめいてはりましたんやな
 それが、現物に接して180度の転換と相成ったちゅう訳や

 次の日も、皆にはもう作業エエから温泉ゆっくり愉しんでおいでと
 皆が出かけた後、一人で作業してたら、またまたIさんが登場
 作業の手順が分からんから片づけや掃除をしてくれはったんやわ

 たけちゃん、アキちゃん、マッシー、いっちゃん、難波ちゃん(これ歳のじゅん)
 結構ゆっくりして帰ってきた
 3時の出発まで、アキちゃんは最後の最後まで掃除を頑張っていてくれた
 

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 難波ちゃんは一人。たけちゃんとアキちゃん。マッシーといっちゃん。
 三台の車は迎えのローソンの駐車場から帰途についた。

 途中、出石(いずし)名物の皿そばを食ったらしい
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 カメラ
写真提供・アキちゃん